「金を出せ!さもないと殺すぞ!!」
銀行内に響き渡る怒号。男女二人組の強盗が立てこもり、緊迫した雰囲気に包まれていた。

職員は札束を差し出すが、二人はもっと出すよう要求した。しかしこれ以上は無理だと拒むと女の方は銃を突きつけ射殺しようとした。まさに絶体絶命の状況だった。

ドゴォッ

二人組は白いマントに身を包んだ少女に取り押さえられた。そう、サニーはたまたま通りかかった時に異変を察知して駆けつけてきたのだ。

これで事件は終息したが、男は何か言いたそうにしていたので話を聞くことにした。

「俺は強盗という反社会的なことをしてしまった。でもこれはやりたくてやったんじゃない。あの女にはめられたんだ。」
女の方が主犯であることを明かすとさらに続けた。

「俺はサラリーマンをやっていて家族を養うために働いてたんだけど社長から飲みに誘われた時その日は息子の誕生日で早く帰りたかったから誘いを断ったんだ。そしたらそれを理由に解雇されて妻と息子は実家に帰ってしまって俺は次の仕事を必死に探し続けたけどどこを応募しても断られるだけですべてを失って絶望してたところをあの女に強盗を持ち掛けられたんだ。もちろん俺は必至で断ったんだけど「やらないなら殺す」とか「野垂れ死にたくなかったらやれ」とか散々脅されてやらされていたんだ。」

男の話を聞いた女も黙ってはいなかった。

「確かに持ち掛けたのは私だ。でも私だってやりたくてやったんじゃないの。父の命令でやらされたのよ。父はあいつを解雇するだけで飽き足らず私を巻き込んで強盗に仕立て上げたの。」

主犯の女も実は父の命令でやらされてたことが明かされた。しかし理由はどうあれ犯罪を犯した以上二人はパトカーに連行されることになった。するとそこに一人の中年男性が現れると二人はその姿に見覚えがあった。

「社長!?」
「父さん!?」
彼は会社の社長で女の父親だった。

社長は娘に詰め寄ると銃を突きつけた。
「ようも俺の本性をばらしてくれたな。まあいい、シェリーだけは生かしてやろう。だがマーク、貴様だけは生きては帰さん。」
社長はマークを射殺しよう銃口を向けた。それを見たサニーは社長を突き飛ばし、彼を守った。その隙に警察は社長の身柄を確保すると三人はパトカーで護送された。

その後、マークとシェリーは一連の事情から厳重注意で釈放され、マークの元には家族が戻ってきたという。一方全ての元凶を作った社長は終身刑が言い渡された。

終わり

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